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工房通信

塗装について その1【ライアー製作】

ライアー製作について
塗装について その1【ライアー製作】

今日は、ライアー製作における重要な工程のひとつ「塗装」についてお話いたします。

楽器塗装は単に見た目を美しく整えるためのものではなく、木材を保護しながら、その楽器が持つ音の個性を引き出す大切な役割を担っています。

どのような仕上げを施すかによって、響きや余韻にも繊細な違いが生まれます。

■ 塗装は“音に深くかかわる工程”

塗装(塗膜)は木の表面を覆い湿気や外部からの衝撃を保護する工程であると同時に、楽器の振動に直接関わる工程でもあります。

厚く塗りすぎれば振動を抑えてしまい、音の伸びや広がりが損なわれることがあります。
一方で、薄すぎれば保護として不十分になり、耐久性に影響が出ることもあります。

そのため、私たちは音と保護のバランスを見極めながら、最適な塗膜の厚みを常に探っていきます。

ライアーのように繊細な響きを大切にする楽器では、この加減が特に重要になります。

■ 木の個性に合わせた仕上げ

塗装は決して一律の方法で仕上げるはなく、使用する木材やその状態によって調整を行います。

例えば、導管の詰まり方や木の硬さによって塗料の浸透具合は変わるため、同じ工程でも仕上がりは一本ごとにわずかに異なります。

木がどのように呼吸し、どのように振動するのかを見極めながら、その個性を損なわないよう丁寧に仕上げていきます。

また、見た目の美しさも大切な要素です。
木目の表情を活かしながら、天然の美を引き出すことを心がけています。

(写真:塗装前の木地の状態)

■ 重ねることで生まれる質感

塗装は一度で仕上がるものではなく、乾燥と研磨を繰り返しながら、少しずつ層を重ねていきます。

このとても手間暇のかかる工程によって、深みのある質感と滑らかな手触りが生まれます。

時間をかけて仕上げることで、見た目の美しさだけでなく、手に触れたときの心地よさや、音の立ち上がりにも良い影響を与えてくれます。

(写真:下地塗装が終わり、少し艶が出てきたところ。下地が綺麗に出来ると上塗りも美しく仕上げります。)

■ 見えない部分への配慮

外からは見えにくい部分であっても、湿度や環境の変化から木材を守るために適切な処理を行います。

楽器は長く使い続けるものだからこそ、経年変化も見据えた仕上げが重要になります。

塗装の質は、時間が経つほどに差として現れてきます。

■ 音と美しさをつなぐ工程

塗装は、木材の持つ魅力を引き出しながら、音と外観をひとつにつなぐ工程です。

どのような響きを持つ楽器に仕上げるのかを考えながら、最後の表現として丁寧に仕上げていきます。

一本一本異なる個性を持つライアーだからこそ、その魅力を最大限に引き出す塗装を心がけています。

(写真:艶消クリアー塗装仕上げ パーツの取り付けをして弦を張るところ)

これから音をまとい、完成へと近づいていくライアー。

その響きとともに、仕上がりの美しさも楽しみにしていただければ幸いです。

弊社ではお客さまとの対話をかさね、お客さまに寄り添う丁寧な楽器制作を心がけております。

ご予算やご要望にあわせお客様にぴったりのライアーを制作をおこなってまいります。

(塗装の色、艶あり or なしやペインティングサービスもグレードまたはオプションでご選択いただけます。)

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