ソプラノ歌手・寺島夕紗子さん
―「さとうきび畑」に込められた想い、そして歌とライアーとともに―
ソプラノ歌手として国内外で活躍されている寺島夕紗子さんが、8月14日、NHK-FM「望海風斗のサウンドイマジン」にゲスト出演されました。
今回の放送で大きく取り上げられたのは、寺島さんのお父様である作曲家・寺島尚彦さんが作詩・作曲した名曲「さとうきび畑」。
「ざわわ ざわわ」という印象的な言葉とともに、長く多くの人々に愛され、歌い継がれてきた作品です。
終戦の日を前に放送された番組では、「さとうきび畑」がどのようにして生まれたのか、そして寺島夕紗子さんご自身がこの歌を歌い継ぐようになったきっかけなどが、望海風斗さんとのお話を通して深く掘り下げられました。
「さとうきび畑」に込められた想い
「さとうきび畑」が生まれるきっかけとなったのは、1964年、寺島尚彦さんが初めて沖縄を訪れた時の体験でした。
当時はまだ沖縄が本土へ返還される前のこと。
コンサートのため沖縄を訪れた寺島尚彦さんは、現地の方の案内で、ひめゆりの塔や壕などの戦跡を訪れます。
そして、さとうきび畑の中を歩いていた際、そこには戦争で亡くなった多くの方々が今なお眠っていることを聞き、大きな衝撃を受けたといいます。
さとうきび畑を吹き抜ける風の音と、沖縄で目の当たりにした戦争の記憶。
その体験を音楽家として作品にし、本土の人々へ伝えなければならない――。
その強い想いが、やがて「さとうきび畑」という作品へと結実していきました。
歌の中で何度も繰り返される「ざわわ」という言葉も、あの日のさとうきび畑を吹き抜ける風を表現するために、寺島尚彦さんが長い時間をかけてたどり着いた言葉だったそうです。
戦争の悲しみ、亡くなった方々への祈り、そして平和への願い。
「さとうきび畑」は、そうした深い想いから生まれ、半世紀以上の時を越えて多くの人々に愛され、歌い継がれてきました。
父から娘へ――歌い継がれる「さとうきび畑」
現在、その「さとうきび畑」を大切に歌い継いでいる一人が、娘である寺島夕紗子さんです。
寺島さんが初めてこの曲を人前で歌ったのは、大学院2年生の時。
コンサートで「さとうきび畑」のリクエストを受けて歌った際、客席で涙を流す方の姿を目にし、大きな衝撃を受けたといいます。
その経験が、寺島さんにとって、この歌と長く向き合っていく一つのきっかけとなりました。
その後、2001年には沖縄を訪れ、普天間基地に接する佐喜眞美術館で開かれたファミリーコンサートで、初めてお父様・寺島尚彦さんの伴奏によって「さとうきび畑」を歌われています。
寺島さんは、自身は戦争を経験した世代ではないからこそ、学ぶこと、考えることをやめず、自分のできる範囲でできることをしていきたいという想いで、現在もこの歌を歌い続けていらっしゃいます。
父から娘へ。
作品だけではなく、そこに込められた祈りや平和への想いもまた、音楽とともに次の世代へと受け継がれているのだと感じます。
今回の「望海風斗のサウンドイマジン」は、一つの名曲が生まれた背景と、それを歌い継ぐ寺島さんのお話を通して、改めて平和について想いを巡らせる、とても心に残る放送でした。
歌とともに、ライアーの音色を
そして寺島夕紗子さんは、弊社が製作する「アフロディーテの竪琴 エンジェルモデル」もご愛用くださっています。

ソプラノ歌手として長く音楽と向き合ってこられた寺島さんが、歌とともに、ライアーという楽器にも親しんでくださっていることを、私たち製作者も大変嬉しく思っています。
今回、ブログでのご紹介についてお願いした際には、「まだまだ、ライアーの演奏は未熟ですが、長く長く続けたいと思っております。」
という、とても嬉しいお言葉をいただきました。
また、寺島さんから、勤務先である洗足学園音楽大学の学生の皆さんへのサプライズクリスマスプレゼントとして録画された、ライアーによるキャロルの演奏もお送りいただきました。
音を2回重ねて録音された演奏で、ライアーの柔らかな響きが重なり合う素敵な作品です。
今回、寺島さんのご厚意により、こちらの演奏についても皆さまにご紹介させていただきます。
歌声とライアー。
表現の方法は異なりますが、どちらも一つ一つの音に想いを込め、人から人へと伝えていくことのできる音楽です。
寺島さんの「長く長く続けたい」というお言葉を、楽器を製作する私たちも大変嬉しく受け止めています。
2026年9月、新しいCDもリリース
そして寺島夕紗子さんから、もう一つ嬉しいお知らせをいただきました。
2026年9月、新しいCDがリリースされます。

今回のCDは、お父様・寺島尚彦さんの作品の中から、寺島さんがこれまでご自身のCDに収録してこなかった楽曲を集めた作品とのこと。
そのため、今回のラジオ放送で取り上げられた「さとうきび畑」は収録されていませんが、寺島尚彦さんが遺したさまざまな作品と、寺島夕紗子さんの歌声との新たな出会いを楽しめる一枚となりそうです。
こちらも寺島さんからフライヤーをお送りいただきましたので、あわせてご紹介いたします。

「さとうきび畑」を歌い継ぐこと。
ソプラノ歌手としてさまざまな作品を届けること。
そして、新たにライアーの音色とも向き合っていくこと。
形はそれぞれ異なっても、寺島夕紗子さんの音楽からは、音を通して大切なものを人から人へと伝えていく、そんな想いが感じられます。
これからも寺島夕紗子さんのご活動、そして歌とライアーから生まれる音楽を、私たちも楽しみにしております。
寺島さん、このたびは素敵な放送とともに、貴重なお写真や演奏、新しいCDのお知らせまでお寄せいただき、本当にありがとうございました。
今後ますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
NHK-FM「望海風斗のサウンドイマジン」
ゲスト:ソプラノ歌手 寺島夕紗子さん
「さとうきび畑」が生まれた背景や、寺島夕紗子さんがこの歌を歌い継ぐようになったきっかけなどについて紹介されています。https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=MV9NX987XX_01
聞き逃し配信:2026年8月21日(金)午後10:20まで
期間限定となりますので、ぜひこの機会にお聴きください。